2012年4月18日水曜日

【レポート】トリ勉リターンズテーブル#02『五十嵐太郎研究会』


あいちトリエンナーレ2013について今から勝手に自習しよう!
という集まり「トリ勉リターンズテーブル」。
2回目は4月4日に芸術監督の五十嵐太郎氏についての勉強会を行いましたのでレポートします。
タイムテーブルはこんな感じでした。

________________________________
発表1: 概要紹介(経歴と主な著書・活動)
   
発表2: 五十嵐氏の仕事~国際展・コンペなど  
   
発表3: レポート:あいトリ2013記者発表&studio velocity展トーク
   
発表4: エヴァ好きが紹介する五十嵐氏のエヴァンゲリオン論
  (→ 担当者が急きょ仕事で来られず、いずれリベンジ予定)

質疑応答&フリートーク
 ・人物像
  ・あいトリ2013の予想
  ・あいトリ2013で五十嵐監督に期待すること
 ________________________________

今回も発表者に専門家はいなかったのですが、それでもできることは色々ありました(冷や汗はたくさんかきました・・・)。
まずはみんな、経歴概要を知るにつけ、五十嵐監督の精力的な仕事ぶりに感嘆。お仕事紹介の一環として、何冊かの著書の回覧に加え、発表者の一人が取り寄せた、せんだいスクール・オブ・デザイン 五十嵐スタジオ作成の冊子『s-meme』2号3号開封の儀も行われました。そして参加者の大半は美術ファンだったのですが、2010年と比べて新たな要素である「建築」に俄然興味が。前回の「石上純也勉強会」と今回で、建築に対する好奇心がますます刺激されたようです。

最後のフリートークでは:


・五十嵐監督の趣味嗜好や考え方は?あいトリ2013での意図は?
・あいトリ2013で建築という要素がどのような形で提示されるのか?
・新たな開催地・岡崎市はどの辺がピックアップされる?
 (なんと既に下見に行った人アリ)
・あいトリ2013のテーマ「揺れる大地 - われわれはどこに立って
 いるのか:場所、記憶、そして復活」について、
 東日本大震災がどのように取り上げられるのか、
 あるいはもっと普遍的な内容になるのか?
 (まず五十嵐監督の著書『被災地を歩きながら考えたこと
 を読んでみるという人が結構いました)

・・・といった点に話しが及びました。

この日はあいトリ2013の記者発表直後ということで、関心がちょうど高まっているタイミングでした。あいトリ側から少しずつ内容が明かされるので、あと1年半ほど、じらされつつもあれこれ予想しながら楽しめますね!という意見で一致しました(思うツボにはまっている私たち・・・)。

会の最後には、いつも「140字レビュー」(過去例1過去例2)を書くために使っているマス目入りの用紙に参加者各自、次のことを書いてみました。
題して、「あいちトリエンナーレ2013で五十嵐太郎監督に期待すること」。
以下にまとめて紹介します。

前回のあいトリでは美術に興味のない人も巻き込むことにある程度成功したと思うので、次回は建築への興味を高めるような内容にして欲しい。普段見過ごしてしまうような街なかの景色を見る目がガラリと変わるような新しい視点を提示して欲しいと思います。(ゆうじろう)

建築とアート、どちらかにしか関心がない人に対してどのように両方を楽しんでもらうのか、純粋に興味がある。建築は好きでいろいろ見に行ったりしているが、アートはよく分からない部分があるので、興味を持たせること・より好きになってもらうことがあれば、トリエンナーレが終わってからも繋げていけると思う。(國枝)

ツイッターの140字ってのが僕の何となくのディスプレイ日常だけども、こうして紙面にしてみるとやや大きなサイズに思えた。いやiPadぐらいの画面サイズは目で見る分には良いし、タイピングするには良いけど、文字を書くには不便だ。そうだ、こうして私たちの身体と世界(画面)との差を建築せよ。(ハセベ @hasebeu10

私は三河の出身だけど、前回のトリエンナーレでは周りでトリエンナーレを知っている人はほとんどいなかった。今回は岡崎が会場になるということで、三河でも盛り上がるといいなと思っている。また高校時代、よく学校帰りにブラついていた地域が会場になるんではないかと今から楽しみ。(さち)

建築出身の五十嵐太郎氏が、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督に就任されたということで、変わった形の建築物や機能的な建築物が好きな自分にとっては、現在の建築物をどういうふうにリニューアルしたり、見せ方をするのか非常に楽しみである。できれば体験できる新しい建築物も建ててもらいたい。(tetsu21♪)

「みんながいろんな解釈をすることで生まれるものを面白がりたい」といった内容が今回のコンセプトに込められているそうなので、ぜひ私達を取り囲む世界の「今」を様々な角度から感じることができるような仕掛けをたくさん用意してほしいと思います。(サトミ)

2013のタイトル「ゆれる大地」を目に耳にして、居心地の悪さや、不快を感じた愛知県人は少なくないはずだ。積極的に被災地へ手伝いに行くとこは難しく、何かしたくてもどかしさを感じた人、どんどん薄れゆく関心に胸をなでおろす人。様々だが、私の耳に残るのは作家の諏訪氏の「震災をネタにする人を許さない」という言葉だ。(Tokage

1回トリエンナーレのテーマ「都市と祝祭」とありましたが、建畠監督がぶち上げているよりは全部が全部お祭りではなかった(当たり前である)ので、あまり「ゆれる大地」然たるものをどん欲に追求しても疲れるだけだと思いますし幅広くつまみ上げちゃってください(適当)(Hirrani

都市型トリエンナーレといわれる中で、ハードの面を建築からみつめることで、都市に暮らす人々の生活をみつめ直す視点を与えてくれそうで楽しみです。(tooi

来年のあいちトリエンナーレにて会場が名古屋市内以外に岡崎市も入っているが、五十嵐太郎氏がどのように岡崎を見せるのか期待しています。(無記名)

現在の社会で生活が営まれる中で美術が提示すべきなのは爽快感と言論の自由。建築においても『建築の可能性』とかではなく、実際に建築がどれだけのワクワク感や好奇心をそそることができるものなのかとか、何やってもいいという開放性を提示してもらいたい。『制限』が押し潰してくる社会に対峙して。(田中瑞穂)

2010の「美術と上演芸術間の越境」「祝祭性」から、2013は「美術と建築間の越境」「揺らぐ大地&価値観その他」へ移ると理解。五十嵐氏について知り、他のキュレーター陣の言葉を読むうち、それを表層的なものとせず深く大きな体験に導いてくれるという期待が高まった。感度高めて待ツ。(なお)

今日も球体にスパイラルに透過に、カワイイ、キレイ、スゴいって言葉を発して吸い込まれてゆく。さて、2013年人々は言葉に出来ない「?」を、見慣れた街のなかに現れる「訳のわからない」モノに見つけられるだろうか。期待と妄想が高鳴る。(古橋和佳)

以上です。
これから来夏トリエンナーレが始まるまで、建築と美術とパフォーミングアーツについて、街なか展開について、またテーマの「揺れる大地 - われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」について、見る側としてもそれぞれが心に留め、関心と考えを深めていくことになるでしょう。何もかもが初めてでほぼ受け身だった2010のときとは異なり、「バッチコイ」体制で待っております^^(監督へのエールです!)
上記の140字メッセージを見ても分かるとおり多様な人たちがあいトリ2013に関心を持っていますが、それぞれの立場で良き(ときに手強い?)伴走者になれたらいいなと勝手に思っています。

追記:
今後も「トリ勉リターンズテーブル」は不定期継続予定です。
近々の勉強会のテーマとして、あいとり2013への参加が発表されている作家のうち「青木淳」「打開連合設計事務所」「ヤノベケンジ」「奈良美智」の名前が挙がっています。
開催の折りにはぜひ気軽に参加してみてください。
また勉強会で発表してみたい!と言う方、お気軽にロプロプまでお声がけください。
勉強会のやり方も試行錯誤していますので、アイデア募集中です。
ご連絡は、info*loplop.orgまで(*を@に変えてメールをお送りください)。

(なお)

0 件のコメント:

コメントを投稿