2012年3月8日木曜日

【レポート】トリ勉リターンズテーブル#01『石上純也勉強会』

2/25(土)、名古屋、長者町でロプロプ主催『トリ勉リターンズ 石上純也勉強会』が開催されました。
気になるトリエンナーレ作家をみんなで学ぶ、トリエンナーレ勉強会。略して『トリ勉』。あいちトリエンナーレ2010の開催時には大変好評を頂いた企画です。

そんなトリ勉復活第一弾で取り上げたのは、既にあいちトリエンナーレ2013への出展予定と発表されている建築家『石上純也』さんです。

今回の勉強会は、ロプロプのメンバーである田中君と平野君の二人が発表者として司会進行を務めました。二人は石上純也さんのファンであるということで、勉強会の 企画そのものから勉強会の司会進行や解説などを行いました。
 二 人は石上さんについて大好きではあっても、美術にも建築にもしっかりとした知識を持っていないので、専門的な説明はできませんでした。ですので、はじめて 石上さんの名前を知るという方や、建築にはあまり関心がないという方に対して、少しでもわかりやすく魅力を伝えられような内容にしよう、と心がけまし た。


 
講師役の一人の平野君は、大学時代、学科では機械工学を専攻して、サークルでは自動車を専門的に扱っていました。それによって、工学的な目線から石上さんの 建築の魅力を伝えました。やや専門的だけども、わかりやすく伝わるようなスライドを用意して丁寧に建築の基礎知識(?)を解説してくれました。石上さんの 展覧会での作品は、実際に建てられている作品とは異なり、安全面や法的な面では現実では建てられることができないものが多いです。もちろん理論的には構造 が可能だと計算されたものではあります。平野君のスライドでは『安全率』という工学全般に共通する概念を持ち出し、いかに石上さんの作品がエクストリームタイトなものかを独自解釈も含めて読み解きました。また石上さんは、極限まで突き詰める石上さんの作風や姿勢と重なって、設営自体もギリギリまで粘られるそうです。

 今回、石上さんの勉強会を開催するにあたって、事前に豊田市美術館学芸員の能勢陽子さんにお話をお伺いする機会を設けて頂きました。能勢さんは、僕らの勉強 会を催すことにとても賛同して下さって、気さくに、丁寧に説明をして下さいました。勉強会では石上さんの展示でのこぼれ話や、石上さんがどんな方だったか など、能勢さんから直接伺ったことをお話できました。それによってお客さんにはより石上さんの作品に関心を持って頂けたように思いました。お客さんには、 建築を学んでいる現役の学生さんや、建築に関心を持っている方、そしてアートに関心をもっている常連のお客さんがいらっしゃって下さいました。
実 際に豊田市美術館の設営のボランティアに入られていたという学生さんや、実際に石上さんの設計したKAIT工房を訪れたことがある学生さんがいらっしゃっ て、どんな様子だったかを話して下さいました。発表者の二人も知らないようなたくさんのことを、会場の参加者皆で共有することができました。また、お客さ んとしてきて下さった建築家の先生からは、石上さんについての補足や裏話をお話して下さり、私たちとしても大変勉強になりました。
例え専門家ではなくても、作家や作品について調べて、他者にその魅力をわかりやすく伝えられることができることを知れた、とても充実した勉強会となりま した。

 
あいちトリエンナーレ2013に向けて、これからも開催予定の『トリ勉』。次回は一体どの作家を取り上げるのでしょうか。乞うご期待です。
(田中)

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