11月22日、23日にこの「AAF」のフィナーレとなる報告会が催されました。
この報告会、例年は東京・浅草のアサヒアートスクエアで催されてきました。
かねてから東京以外での開催を求める声が多々あったこともあって、今回初めて東京を離れて、九州は大分、別府での報告会開催となりました。
二日間に渡る報告会は、別府タワーから最寄の海沿いに立つ大分国際交流会館を会場として開催されました。
一日目の22日は、日本全国から参加60団体が集って、プロジェクトの成果について全団体が三分間ずつで報告をしました。
各団体の多様な背景による多様な試みを三分間のプレゼンから理解して咀嚼すること、また様々な地域や状況で起きていること、各々のプロジェクトの当事者が実践しようとしていることなどに対して、私たちも聴衆として、AAFネットワークに参加する者として、それぞれにどのように関心を抱き、価値あるものが何かを問い続ける機会となりました。
私たちロプロプは「オーディエンス筋トレテーブル」(以下「筋トレテーブル」)という、“オーディエンスとしてアートを見る筋力を鍛えよう”というコンセプトで銘打ったトークイベントの企画で出願し、AAFから採択されました。
報告会では、この筋トレテーブルが二回開催できた成果について報告をしました。
それぞれの筋トレテーブルの詳細については、後日レポートをリリース予定なので、そちらをご参照ください。
報告会二日目の23日は、午前は各団体の参加者やAAFの関係者などでのグループディスカッション、午後は次年に向けて「拡大実行委員会」という全体会議が実施されました。
(AAF学校名古屋校の模様:facebookページ)
https://www.facebook.com/loplop.org/posts/639194616151791
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AAFの“顔”とも言える加藤種男さんに来名いただき、講座のファシリテーターを務めていただきました。20名程の参加者が集い、元来予定されていた全4回ではボリュームが足りないという声もあがり、補講をプラス一回開催して、全五回の講座が実施されました。
様々なプロジェクトの価値をレポートやレビューというかたちで言語化する試みを実践し、そしてアウトプットとして、20弱もの数のプロジェクトや団体についての文章が記されました。
講座の中での様々な議論、またこのAAF学校をいかなるものとしたいかという議論が様々に積み重なって、とても有意義な試みとなりました。
ただ、報告会でさまざまな方とお話した印象では、このAAF学校に対しての関心や認知度にばらつきが見受けられて、十分に議論や意見交換をすることができませんでした。さらに「拡大実行委員会」で次年度はAAF学校の開催が見送られる発表がされました。残念な部分もありますが、今回のAAF学校の経験はロプロプの参加者にとっても意義のある試みとなり、何かにつなげるための蓄積とできたように実感しています。
「拡大実行委員会」が終了した後は、別府の街をめぐりました。
別府タワーの展望台で記念写真。
夜は「輪音プロジェクト」さんの宿泊するホテルに有志が集って、「ナイトミーティング」として、ビールを片手に真夜中まで熱く議論しました。
広大な自然、また神仏習合の地として異文化の交わりや、自然や人びとの営みが複層的に積み重なった歴史が連なる国東半島。様々な景色や自然の表情を見せてくれました。
広大な国東半島の各地に作品が点在していて、すべてを見ようとすれば幾日も要してしまうスケールです。海岸線や山間部などへ野外に展示される作品や、使われなくなった工場、役場施設なども展示会場とされました。
今回のバスツアーでは宮島達夫さん、チームラボ、「希望の原理」展、「集ういえ/作るいえ」の作品や展示、プロジェクトを観賞しました。山出さん、そして「おせっ隊」という地元のボランティアスタッフの方から解説をしていただきました。
おせっ隊のみなさまにふるまっていただいたお漬物。
作品観賞の他にも、長い石段を登り「文殊仙寺」を拝観しました。副住職が三日間、断食断水不眠で祈祷している大護摩供の最中での拝観でした。
文殊仙寺で記念写真。
また「集ういえ/作るいえ」のある国見地区を街歩きしました。
バスツアーの最後には真玉海岸の海岸線に沈む夕日を見ながら語り合うという、青春さながらでした。
AAFは「アートとは何か」「地域とアートとは」「アートの価値」「助成」「各団体スタッフの交流」「さまざまな人びとの交流」「交流とは何か」など、他者への理解や議論が絶え間なく起こり続ける場であると思います。
様々な考えを持つ人びとが、一同に集って対面して議論し、ビールを飲みながら打ち解けたりできる機会の面白みを改めて考える機会となりました。
AAFの皆様、そしてAAFネットワークに参加する皆様、この旅は本当にありがとうございました。
(文責:田中)
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