【レポート】AAF2012交流支援プログラム『そうだ、アンテナメディアへ行こう』のご報告
9月22日、私たちロプロプは京都へ赴いて、アサヒ・アート・フェスティバル2012(以下AAF)へ私たちロプロプとともに参加をしているAntenna Mediaを訪問しました。遅くなりましたがレポートを掲載します。
京都の2つの大きな繁華街、京都駅と四条河原町との中間にあたる河原町五条のほど近くに、Antenna Mediaの建物がある。
Antenna
Media(以下アンテナメディア)とArts Audience Tables ロプロプ(以下ロプロプ)は、それぞれ京都と名古屋という『地方都市』で活動している。
ロプロプは名古屋を拠点として『東海圏』という地域をキーワードに活動しており、どうすればこの地域のアートシーンが盛り上がるか、どうすれば楽しめるのかを日々考えている。そこで、彼らと対話することで、別の視点から名古屋の可能性を見出したいと考えた。また、活動歴も短いロプロプとしては運営や活動に対する考え方などを伺いたく、今回の交流プログラムに申し込んだ。
アンテナメディアの建物の前は、車が一台通れるかの細い通りだが人通りはなかなか多い。
古い民家を改装した建物の二階へと上がると畳六帖ほどの部屋があった。両グループあわせて15名ほど。体が密着するほどの距離間でテーブルを囲み交流会が催された。
まずはアンテナメディアの活動について話を聞いた。
アンテナメディアにはアーティストやデザイナー、
キュレーター、編集者、建築家など様々な職業の方々が参加しており、建物を自分達で改装するところから話が始まった。
この場所を展示だけではなく様々な活動・人が自由に出入りできる空間にしたいという思いがあるそうで、それは展示やイベントなどの内容にも表れている。また、外からよく見えるような作りにすることで、展示やワークショップを目的として訪れたお客さんだけではなく、通りすがりの人達をも取り込んでゆく。そうやって、彼らは自分達が地域とどうつながっていけるかを模索しているとのことだった。
その後、ロプロプが活動について発表した。
アンテナメディアの市村さんに、「ロプロプが主体としている≪鑑賞者≫とは、一体どういう人のことなのか?」と指摘された。「鑑賞者と表現者との関係性は現代ではめまぐるしく変貌していて、鑑賞者と表現者との境界線は曖昧になってきている」と市村さんは述べられ、そのような作品や展示の実例も紹介してもらった。
それをふまえて、表現をする立場としては、ロプロプのような『鑑賞する側』の意見が聞ける機会というのはなかなかないため、作り手としてありがたい存在【スーパーお客さん】だと好意的な言葉をもらった。
実際、ロプロプは≪鑑賞者≫としての自覚や立ち位置を模索している部分が大きい。『鑑賞する側』がアートシーンや表現活動そのものに一体どういう意味をなすのか。そういった模索そのものがロプロプの活動の本質にあると思うし、それが結果として意味をなすのかもしれない。
交流会後は、この日予定されていたWSにロプロプの面々も参加させてもらった。
参加者は、テーブル・照明・スピーカー・植物・調理などの役割が割り振られ、役割のない者は客人としてパーティーに参加した。役割は各々が好きなタイミングで交代するというもの。
テーブルは実際に食事をする上で必要となる為、他に比べて役をこなしている感が強かった。
客人として純粋にパーティーを楽しむ者、植物・照明の役になりきり自分なりの演出を加える者など、参加者によっても又役割によっても楽しみ方が違い、参加者の人間性がみられた。
わずか半日という短い時間ではあったが、他の団体の活動を知るだけでなく自分達の活動についても改めて振り返ることができた貴重な時間となった。
(田中)
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