【レポート】オーディエンス筋トレテーブル#03『アートと言葉/自分らしく伝えるのって難しい?~福住廉氏を迎えて~』
さる9月15日(土)に長者町プラットフォームで開催されました、
「オーディエンス筋トレテーブル」第3回目、レポートです。
今回は、ロプロプがトリ勉時代からひとつの課題にしていた、
「鑑賞体験を言葉につづる~レビューを書くこと」について、皆で考え、
今後の活動につなげていくことを目標に、
東京より美術評論家の福住廉氏をお招きして、お話をうかがいました。
福住さんは美術評論家として、過去には『美術手帖』、そして現在も続く『artscape』などへの寄稿のほか、
横浜のBankART Schoolにて、7年前から「アートの綴り方講座」の講師を務められ、
講座終了後には参加者有志によるフリーペーパー「HAMArt!」が発行されるなど、
ご自身のご活躍に加えて人々の自発的な活動の流れを作り出すという部分でも
実績を重ねてみえる方です。
当日、14時から始まったお話は、参加者実に20名以上という中
大きなテーブルをぐるりと囲み、全員の顔が見えるアットホームな雰囲気で進みました。
用意されていたトピックのほか、意見や質問も織り交ぜつつどんどん話は深まり、
終了予定時間の16時を少し過ぎてしまうほどの濃密な内容となりました。
内容は、ご自身が講師を務めてこられた「アートの綴り方講座」の詳細から始まり、
その成果として作られた「HAMArt!」の中身の紹介、その出来上がるまでの流れや
参加者によってユニークな企画が生まれた背景から、
福住さんご自身が 展覧会を「見て」「書く」ということについて思うこと、
そしてこれから鑑賞する人たち、書きたいと思っている人たちが集う場作りについて
などが主となりました。
そこで出てきた福住さんの言葉の中から、印象的だったものを少しご紹介します!
・『綴り方講座』についての話の中で
「批評や評論はガチガチなイメージがあるけれど、(綴り方講座では)
そのイメージをまず壊したい、楽しくしたいと思った。まずそこが壊れないと、
個人個人にとって言葉が出せる、天から降ってくるような環境は生まれない」
・自身が「書く」立場として考えていること
「レビューは、要は『見て』『書く』ということ。実際に見たものを書く。
けれど、見てすぐに条件反射的に書けるということはなく、しばらく日にちは置く。
その間に何か自分の中で溜めているのだと思う。
その後2日くらいでだっと書くのだけど、これは身体的なニュアンスが強いと思う。
展覧会を見るにも、まず歩かなければいけない」
・レビュー書きを促していく要素として、どのような場を作っていけば良いか について
「ものごとの『動き』というのは派生していくものだと思うので、まず人が集まるような
場所を作って 、そこから生まれるものを探るようなこと。
無からいきなり有が生まれるわけは無いので。
人が集まって同じものを見て話をするのは、楽しいこと。
そしてその中で互いに言葉を交差させる中から、自分の言葉を見つけてくる」
・(参加者からの質問)良いなと思う文章に影響を受けてしまう という話について
「文章を書く時、妙に、オリジナルな文でなければいけないという強迫観念みたいな
ものがある気がするが、誰でも、どこかで読んだような他の文に影響は受けている。
要するに、自分が読んだ文章が自分に降りてくるということはある。
真似することを恐れずにやっていったらいいのでは。文章を書くというのは、
そういうことの繰り返し、連続で、それは生きることと重なる。 脱皮を繰り返すようなこと」
・書くことのモチベーションについて
「小さな集まり―内輪でやっているだけのようなことでも、何が悪いのか と。
そこでは互いの顔が見えているという安心感と、講評でも具体的な反応(コメント)が返ってくるという
リアリティがあって、それはモチベーションにつながると思う。
ものごとの始まりは、みんな内輪からなんですね」
質問やトピックの投げかけに対して、少し間を置いて話し始める姿もとても印象的で、
福住さん自身の、目の前の人や物事に対する真摯な姿勢が垣間見えたように思います。
参加者の方からも
「表現することは難しいと思っていたが、お話を聞いて少し気軽に考えられるようになった」
「ロプロプの名前が気になって参加したが、色々と持って帰れるものを得られた」
「自分も画廊を回ってみたいと思う」
などの感想をいただけたことは、会を開いた私たちとしても、嬉しい限りでした。
今後の活動につながる、きっかけの場となったのではないでしょうか。
「オーディエンス筋トレテーブル」第3回目、レポートです。
今回は、ロプロプがトリ勉時代からひとつの課題にしていた、
「鑑賞体験を言葉につづる~レビューを書くこと」について、皆で考え、
今後の活動につなげていくことを目標に、
東京より美術評論家の福住廉氏をお招きして、お話をうかがいました。
福住さんは美術評論家として、過去には『美術手帖』、そして現在も続く『artscape』などへの寄稿のほか、
横浜のBankART Schoolにて、7年前から「アートの綴り方講座」の講師を務められ、
講座終了後には参加者有志によるフリーペーパー「HAMArt!」が発行されるなど、
ご自身のご活躍に加えて人々の自発的な活動の流れを作り出すという部分でも
実績を重ねてみえる方です。
当日、14時から始まったお話は、参加者実に20名以上という中
大きなテーブルをぐるりと囲み、全員の顔が見えるアットホームな雰囲気で進みました。
用意されていたトピックのほか、意見や質問も織り交ぜつつどんどん話は深まり、
終了予定時間の16時を少し過ぎてしまうほどの濃密な内容となりました。
内容は、ご自身が講師を務めてこられた「アートの綴り方講座」の詳細から始まり、
その成果として作られた「HAMArt!」の中身の紹介、その出来上がるまでの流れや
参加者によってユニークな企画が生まれた背景から、
福住さんご自身が 展覧会を「見て」「書く」ということについて思うこと、
そしてこれから鑑賞する人たち、書きたいと思っている人たちが集う場作りについて
などが主となりました。
そこで出てきた福住さんの言葉の中から、印象的だったものを少しご紹介します!
・『綴り方講座』についての話の中で
「批評や評論はガチガチなイメージがあるけれど、(綴り方講座では)
そのイメージをまず壊したい、楽しくしたいと思った。まずそこが壊れないと、
個人個人にとって言葉が出せる、天から降ってくるような環境は生まれない」
・自身が「書く」立場として考えていること
「レビューは、要は『見て』『書く』ということ。実際に見たものを書く。
けれど、見てすぐに条件反射的に書けるということはなく、しばらく日にちは置く。
その間に何か自分の中で溜めているのだと思う。
その後2日くらいでだっと書くのだけど、これは身体的なニュアンスが強いと思う。
展覧会を見るにも、まず歩かなければいけない」
・レビュー書きを促していく要素として、どのような場を作っていけば良いか について
「ものごとの『動き』というのは派生していくものだと思うので、まず人が集まるような
場所を作って 、そこから生まれるものを探るようなこと。
無からいきなり有が生まれるわけは無いので。
人が集まって同じものを見て話をするのは、楽しいこと。
そしてその中で互いに言葉を交差させる中から、自分の言葉を見つけてくる」
・(参加者からの質問)良いなと思う文章に影響を受けてしまう という話について
「文章を書く時、妙に、オリジナルな文でなければいけないという強迫観念みたいな
ものがある気がするが、誰でも、どこかで読んだような他の文に影響は受けている。
要するに、自分が読んだ文章が自分に降りてくるということはある。
真似することを恐れずにやっていったらいいのでは。文章を書くというのは、
そういうことの繰り返し、連続で、それは生きることと重なる。 脱皮を繰り返すようなこと」
・書くことのモチベーションについて
「小さな集まり―内輪でやっているだけのようなことでも、何が悪いのか と。
そこでは互いの顔が見えているという安心感と、講評でも具体的な反応(コメント)が返ってくるという
リアリティがあって、それはモチベーションにつながると思う。
ものごとの始まりは、みんな内輪からなんですね」
質問やトピックの投げかけに対して、少し間を置いて話し始める姿もとても印象的で、
福住さん自身の、目の前の人や物事に対する真摯な姿勢が垣間見えたように思います。
参加者の方からも
「表現することは難しいと思っていたが、お話を聞いて少し気軽に考えられるようになった」
「ロプロプの名前が気になって参加したが、色々と持って帰れるものを得られた」
「自分も画廊を回ってみたいと思う」
などの感想をいただけたことは、会を開いた私たちとしても、嬉しい限りでした。
今後の活動につながる、きっかけの場となったのではないでしょうか。
筋トレテーブル#3に参加した者です。(ツキイチテーブル#10にも初めて参加させていただきました。)最近、ブログを始めました。福住氏の筋トレについて、書かせて頂きました。一読頂けたら幸いです。
返信削除http://horima.blog.ocn.ne.jp/blog/
武藤様
返信削除コメントいただき、またブログでオーディエンス筋トレを取り上げていただきありがとうございました。スタッフの亀田よりブログにコメントさせていただきました。今後もブログ楽しみにしております!